科目名 音楽史各論(講義) 科目ナンバー MU-MA1303 担当者
(実務経験名)
非常勤講師 栗原詩子
履修期 専攻科 前期 卒業単位 選択 2単位
免許・資格
授業概要 音楽史の概念的知識・理解を踏まえ、近代フランスの音楽史に焦点をあてて、その書法と歴史についての語られ方を観察する。サブテーマとして、社会的状況と芸術音楽(第1, 2, 5, 13回)、歌曲と室内楽の書法(第3, 4, 8, 12, 14回)、芸術音楽と他領域の交流(第5, 7, 11, 13回)を詳述する。
到達目標 知識・理解 フランス近代における主要な作曲家の表現様式を把握し、それらを応用して、特定の用語、人名、トピック等を説明できる。
思考・判断 いわゆる「フランス音楽」を「エスプリ」の一言でまるめこまずに捉えられるようになる。
態度・興味・意欲 ロマン派の音楽史について、社会的状況とそこで生まれた音楽書法を関連づけることができる。
技能・表現 科目でとりあげる楽曲の主たる楽想や特徴を聴き分けられる。
授業計画 授業内容 事前事後学習内容 時間(分)

1

19世紀フランスの政治的拮抗と音楽教育──軍楽隊と教会音楽

復習:聴取ガイドに沿って《マルセイエーズ》を聴き歌詞を熟読する

30

2

フランス国内のオペラ座のヒエラルキー──グラントペラとバレエ

予習:今谷&井上『フランス音楽史』第8章を精読する。

60

3

ローマ賞の効用1──多声書法

予習:聴取ガイドに沿ってベルリオーズ《キリストの幼時》作品25第一部を聴く

45

4

ローマ賞の効用2──管弦楽伴奏による声楽曲

予習:聴取ガイドに沿ってドビュッシー《放蕩息子》を聴く

35

5

パリの楽器産業とピアノ音楽の隆盛

予習:今谷&井上『フランス音楽史』第9章を精読する

60

6

サン=サーンスの先進性

予習:聴取ガイドに沿ってサン=サーンスのオペラ《サムソンとデリラ》第2幕を聴く

45

7

象徴主義文学と音楽

予習:聴取ガイドに沿ってヴェルレーヌの詩に基づくフォーレ&ドビュッシー&ラヴェルの楽曲(対象6曲)を聴く

45

8

フォーレの書法と教育観

予習:聴取ガイドに沿ってフォーレの《イヴの歌》《「ペレアスとメリザンド」組曲》を聴く

60

9

パリ音楽院作曲科の制度疲労? ──スコラ・カントルムの謎

予習:聴取ガイドに沿ってラヴェル&ルーセル&サティの楽曲(対象4曲)を聴く

45

10

美術標語としての印象主義と音楽

予習:聴取ガイドに沿ってダンディ《フランスの山人の歌による交響曲》を聴く

60

11

多様な演奏団体の出現とフランスにおける室内楽の発展

予習:今谷&井上『フランス音楽史』第10章を精読する

60

12

フランクの循環形式──ヴァイオリン・ソナタの聴解練習

予習:聴取ガイドに沿ってフランク《ヴァイオリン・ソナタ》イ長調 FWV 8を聴く

40

13

ジャズとクラシック

予習:ガートルード・スタイン『アリス・B.トクラスの自伝―わたしがパリで会った天才たち』の指定箇所を精読する

60

14

メシアンの書法

予習:聴取ガイドに沿ってメシアン《世の終わりのための四重奏曲》を聴く

55

15

まとめ

予習:D.H.v.エス『西洋音楽史』第7章を精読する

60

成績評価方法   知識・理解 思考・判断 態度・興味・意欲 技能・表現 評価割合
筆記試験 40%
レポート
課題 40%
実技
受講状況・態度 20%
その他()
フィードバックの方法 筆記試験(小テスト4回)は、採点の上でコメントをつけて返却する。
課題A(聴取ガイドに沿った聴取10回と指定箇所の精読5回)は、講義内の対話で消化を深める。
受講態度(質問・感想カード15回)の一部については、講義中に解説・講評する。
教科書 なし。 参考書 今谷和徳・井上さつき『フランス音楽史』春秋社、2010
ガートルード・スタイン『アリス・B.トクラスの自伝:わたしがパリで会った天才たち』筑摩書房、1971
ドナルド・H・ヴァン・エス『西洋音楽史 : 音楽様式の遺産』新時代社、1986
アクティブ・ラーニング なし。
ICT活用 なし。
メッセージ・備考 なし。
関連科目 音楽史